アメリカ無痛分娩日記
by Snufkin
国際結婚で、日本からアメリカへ移住した日本人女性の、アメリカ無痛分娩出産日記。
Snufはあっという間に2人目の出産も同じ無痛分娩で終えました。
掲示板に時々出没中〜

 

1.日本で産むかアメリカで産むか? 

 妊娠が発覚したら海外在住の日本女性は、どちらの国で出産するか考えると思う。

日本では多くの妊婦は里帰り出産するしな〜とスナフも一瞬日本出産を考えた。
家庭の事情で実家の母がアメリカまで出産時手伝いに来てくれることは不可能である。
にも関わらず、日本での出産は瞬く間脳裏をよぎっただけで、すぐアメリカで出産することに決めた。

 確かに日本で産んだら言葉の心配も全くなく、
慣れた環境で実家で母に上げ膳据膳で甘えられ、
ペンション風の産院で出産時1週間も入院でき、
(ご存知アメリカは出産後48時間で車椅子退院)
おまけに出てくる料理は美味しいという魅力はあるが、
一旦日本に帰ると、約3ヶ月は日本滞在になることがネックだった。
夫が出産時に目掛けて来日することは難しいし、
出産後、母子と父が1ヶ月以上離れ離れだなんてどう考えても自然でない。
夫にも、スナフが一人で日本に出産しに帰るというオプションはなかったようだ。
宝くじフリークの彼が、当たったら二人で日本に行って出産したいか?と聞いてきたのが良い例であろう。

 それから日本ではまだまだ自然分娩が奨励され、
無痛分娩ができるところは少ないし、 費用がかなりかかるらしい。
日本の友達が、わざわざ無痛分娩を扱っている産院を選んだのに、
出産前医師から自然分娩をするように説得されたと聞いた。
その点、アメリカは80%以上の妊婦が無痛分娩を希望するそうで、
スナフも大手を振って無痛で産める。

 このような理由から、アメリカ出産を決定
決して無痛分娩ができることが第一の理由じゃなくって、
ええっとあの、やっぱりあくまでも母子と父が離れ離れってのは良くないってのが一番で・・・。(←あたふた)
 日本からの手伝いはないと分かっていたが、夫の母が近くに住んでいて
(と言っても車で4時間半。 こちらでは近い範疇らしい)
出産後手伝いに来てくれることが見込まれていたので、日本の家族の不安を払拭をすることもできた。
日本の母は、義母にお願いの手紙まで書いてくれたし。
(日本語で書いたものを私が訳し、彼女が直筆で送った。)
宝くじに当たっても、アメリカで産む決心は固かった。

2.つわり
 か弱いイメージのないこんな私でも、つわりがあった。
妊娠6週目くらいから症状が出てきて、その時には既に妊娠をしていることは判明していた。
テレビドラマで、”うっ”ってなって洗面所にかけこんで自分の顔を鏡で覗き込み、
はっと気づくというのは遅いのではないかと思う。
もうその頃には生理もかなり遅れているはずで、気付けよ〜ってカンジ。
きっとかなり生理不順な人かなんかに違いない。
 今はE.P.T.テスト(early pregnancy test)でおしっこをじょ〜っとかけて簡単に検査できる。
99%正確とテレビでも宣伝してるし便利な世の中になったものだ。

  とにかくつわりの時期は、非常にけだるい。
いくらでも寝ていられ、匂いに敏感になり偏食になる。
つわりは英語でmorning sicknessというが、私の場合はevening sicknessだった。
  朝昼は食べ物を口にすることができたが、夕食は殆ど受け付けなかった。
あの頃は炭水化物漬けだった。
朝はトースト、昼はそうめん。狂ったように毎日そうめん
たまに無性にフライドポテトが食べたくなり、近所のバーガーキングでハンバーガーの匂いにうっとなりながら、
ポテトだけ(本当にポテトだけという勇気がなく、ジュースも頼んでしまう。)注文したものだ。

 夕食を作る勢いもない日は夫が作ってくれたのだが、
一口食べて「えっえっえっくすきゅーずみー」とお手洗いに駆け込むこと3度。
夫はかなり気を悪くしていたに違いない。
 後から考えると3度ともポーク料理で、どうやらポークの匂いがだめだったようだ。
 ピザのCMのとろけるチーズを見るだけで、ううっとなった。
あの時ほど、日本食が恋しくなったことはない。
夫が何度か日本食レストランに連れていってくれた。
夫の頼む豪華なセットメニューを横目で見ながら食べられるものは麺類
しかし、或る日、好物のざるそばにまでうっと来てしまった折には我ながら驚いた。

  約6週間の苦しみだったが、水も受け付けずに点滴を受けたとか、
入院したなどの話を聞くと、私のつわりは序の口だったのだと思う。
  つわりが終わると、パワー全開、食べまくり妊婦に変身したのです。
3.破水から始まったお産。
 臨月に入っていっそうお腹が大きくなってきた。そんなお腹を抱え、
買い物をしていると、ちょろちょろ〜と何だか股から水が漏れているような・・・。
いやん、私ったら尿漏れ?
妊婦になってからくしゃみでちびっと漏れるってことがあったので、
そんな状態かと思い、何事もなかったふりをして買い物続行。
 次に本屋に行って立ち読み(こっちは座り読み)し、
最後にスーパーに行った折にズボンがかなり濡れてきたのでお手洗いに行くと、
見慣れない色のものが・・・。もしかしてこれって破水??

 破水って、どばーっと水が出るものと思い込んでいたのだが、私のはちょろちょろ型だったようだ。
それでもレジを済ませて、慌てて帰宅。
駐車場で日本人の友達に出会う。
状態を話すと、それって破水ちゃうの〜?
やっぱりそうか。(ちなみに彼女は出産経験なし)
早速産院に電話すると、破水かどうか調べるから今すぐ来てくださいと指示され、
職場の夫にも電話して産院で落ち合うことに。自分で運転して行った。(しかも高速道路)

 産院でガウンに着替えるとき、既に水がジョーと漏れてきたので、
ドクターも、調べるまでもなく破水だと思うけど、念のためにねということで検査。
やっぱり破水だった。(でなければおしっこだだ漏れ状態。)

 あ、お腹痛い〜。どうやら陣痛も始まってきたみたいだ。
しかしまだまだ笑顔の出る余裕のある陣痛。
ドクターから、「では帰宅してシャワーでも浴びてちょっと何か食べて病院に行ってください」と指示される。
こちらは、日本と違って産院で産むのではなく、産院が提携している大きな病院で出産するのだ。
私の産院は5人の女医、2人の助産婦がチームになっていて、毎日誰かが交代で病院に勤務している。
出産時には誰に当たるか分からないので、
検診の時に全員の医師、助産婦に会うように予約係の人も都合つけてくれる。

 さー、帰ってシャワー浴びて入院♪と頭の中で段取りし、
帰路につこうとしていたら「スナフさんちょっと待ってください」と医師に呼ばれる。
「さっき、すぐに入院してくださいって言ったけど、今病院に連絡したら部屋が夕方にしか空かないってことだから、
6時まで自宅待機してくれるかしら?」
なぬ〜?6時っちゅうたらあと4時間もあるではないか〜。もうお腹も痛くなって来ているのに〜(涙)
緊急の場合は何とかしてくれるかとは思うが、とりあえずノーチョイスってことで帰路に着くことに・・。
車を産院に置きっぱなしにしたくなかったので、夫の心配する中自分で運転して帰る。
 
 早速、陣痛の合間をぬってシャワーを浴び腹ごしらえをして、待機。
妊娠糖尿病と診断され、食餌療法していたので(炭水化物を制限)、
もうこの場に及んだら何でも食べても良かったと思うのだが、 冷蔵庫にあるのはホットドッグ。
うどん一杯でもすすって行きたいところだったが、
不覚にもホットドッグとPB&J
(ピーナッツパターとジェリーのサンドイッチ。
このなんとも言えない組み合わせに最初はど肝を抜いたが、今は大好き♪オージーも食べるのですか?)
あーんそれにしてもお腹痛いよ〜。
陣痛来ているときは実に痛くて、何かにつかまって去るのを待つしかないのですが、去った後はもう天国。
そのギャップが非常に笑える。ま
さに、蓬莱のアイスキャンディのあるとき、ないときの世界(←関西の人なら分かるよね)です。

 陣痛の時間を測ると、6分間隔に。
日本は初産は10分間隔で入院だそうだが、こちらは一般的に5分と言われている。
 6時まで待つように言われたが、時計を見ると5時。
夫も顔を歪めるスナフを見て、6分間隔だけど産院に電話し、1分さばをよんでいざ病院へ!
 
  事前に出産予定の病院のホスピタルツアーをしているので、陣痛がきたらどこへ行くのかも把握し、
まっすぐチェックインカウンター(というのか?)へ。
通された部屋は、まさにこれから分娩する部屋。
しかし、日本のようないかにも分娩室ってのではなく、
素敵な大きい一人部屋に分娩台がついているというカンジ

ソファ、テレビ、電話、シャワールーム、クローゼット、CDプレーヤー、リラックスするための音がなる機械
(なんというのですかな?)などの設備がついている。
 まず、病院のガウンを受け取り、それに着替える。割烹着みたいな形で、それ一枚になるのです。
そしてお尻を隠しながら分娩台のベッドへ。
 担当の看護婦さんが一人ついてくれ、陣痛を調べるモニターと、
血圧をはかるもの(だったかなー)をてきぱきと装着。
陣痛が来たら、そのモニターの数字がぐーんと上がって(上がるでよかったかしら。)、
グラフの線もびよーんとなって、いたたたたっ!!ってことになるのです。

4.分娩室にて

枕元に置いていたミネラルウオーターのボトルを見て看護婦さんが、笑顔で残酷にも
今からは何も口にしたらだめよ」と。
「え?お水もですか?」
「そうお水も。」
「え?飴も?」
「飴もだめよ〜。氷だけね。」
ちっ、予め用意していた入院セットバッグに、夫用のおやつ(チョコレートやポテチ)を用意しておいた中に、
スナフ用にも飴を潜ませておいたのに・・。

ついて来てくれた夫は、部屋の電話から家族に電話をしまくり始める。
ちなみにその料金は翌月の自宅の電話代に追加請求されるらしい。
7人も出産している義母にまず電話。日本のにも連絡。
そして夫の一番下の妹は、3人プラス双子。
(これ、話が長くなるので割愛するが、双子は代理母)を出産しているので、
アドバイスを求めるべく彼女にも電話。

陣痛で苦しんでいる横で、電話会話を楽しむ夫。
ま、彼もやることないもんねぇ。
陣痛の合間にスナフに受話器を渡す夫。
義妹に「麻酔したの?」って聞かれたが、そんな話まだ出てない。
「なんで?私は入院したらすぐ麻酔してもらったわよ。すぐ言いなさいすぐっ」
入院してから1時間半以上経っていたと思うが、確かにどうするかなど聞かれていない。
無痛分娩希望していることは、妊娠中病院のコーディネータに会って伝えておいたので通っている筈だ。
確か子宮口が4cm開いていないと麻酔は打てないとバースクラスで習ったような気がするので、
きっとその関係だろうが、義妹の話を聞いて、ずっと陣痛をガマンして損した気分になった。

夫の口添えもあり、いよいよ麻酔を打ってもらう事に。

5.いよいよ麻酔!

お待ちかねの麻酔医(男性)が紙芝居のおじさんのごとくカタカタとワゴンを押してやって来た。
「Hi, How are you?」とにこやかに握手をし、自己紹介をしてくれる麻酔医。
How are you?と言われても〜。痛いです〜と言うしかなく陣痛の合間に愛想笑いをするスナフ。
「ハイ。ではベッドに腰掛けてください。」
体を起こし、ベッドに腰掛け腕を看護婦さんの肩にかけて腰を出すスナフ。
割烹着みたいなガウンなので、背中が割れているゆえ問題無く腰を出せる。
さ、いよいよ注射だ。

「えっと妊娠前の体重は?」
「えっとぉ・・ひゃくぅ〜。」
ポンドでの単位はいまだに慣れない。
当時の体重は把握していたものの、咄嗟に聞かれると出てこない。口篭もっている横から夫のフォロー。
「○○ポンドです。」
夫よ有り難う。ちょっとは誤魔化してくれた?と思ったが、
どうやら体重で麻酔の量を調節するようなので正確に伝えた方が良さそうだ。
「ではいきますよ。」
「おっお願いします〜。」
なのにタイミング悪く「いたたたた〜!!」
即座に看護婦さんが「ドクター今彼女は陣痛が来てるみたいです。」と報告。笑いながら「そうみたいだねぇ。」
陣痛が引き、笑顔が戻ると
ではちょっと痛いけどガマンしてね。」
と腰の当たりにブスっと注射。いてっ!
日本に居るとき献血フリーク(というほどでもないか)で、
日本赤十字協会から感謝状ももらったので針に対してそんなに恐怖感はないし、
背後で起こっていることなので目の当たりにしないというのも良い。

ちょびっと痛かったが、陣痛の痛みに比べたら何のことはなかった
背骨のちょっと下に刺された針は点滴のごとくチューブがつながり、
背後にある機械から麻酔腋が硬膜外に入るようになっているようだ。
体重やその時の状態によって微妙に量が調節されているらしい。
(点滴といえば既に腕にも、何だったかの点滴を受けていたが、
どの時点でつけてもらったのかもはや記憶にない。)

数分もたたないうちに下半身に麻酔が効いて来たほわ〜んとしたカンジだ。
横にあるモニターによると陣痛が来ている筈なのにもう痛くない!
嗚呼、極楽極楽〜。あの痛かった陣痛、本当に何も感じないのだ。
もう心身ともに蓬莱のあるときばかりっ!笑顔のスナフだ。
記念撮影までしてしまった。こんなことならもっと早く打ってもらうのだった〜。
(未だに待つ必要があったのか定かでない)5:30に入院し、麻酔は9:00頃に打ってもらったと思う。
痛そうにするスナフに何もできないので申し分けなさそうにしていた夫も、
もう堂々とテレビでフットボールでもCNNでも観る事ができる。
以降どのように過ごしたか覚えていないのだが、恐らくうたた寝でもしたであろう。

情けない事に、うたた寝以外何をしていたか覚えていないのだが、
確か看護婦さんが途中で交代になったことは記憶している。
入院したときの看護婦さんはとてもいい人で、この人が出産に立ち会ってくれるのね、良かった♪と安堵していたが、
途中で「交代の時間が来たので帰るわねぇグッドラックー」と言い残して帰ってしまった。
運良く次に来てくれた看護婦さんも、優しくていい人だった。
看護婦さんといえば、米国の看護婦さんは産院にしても大きな病院にしても、 日本のような白衣の天使ではない。
おちゃめな柄のスモックの天使が多い。
たいてい、動物や女の子、星型などの可愛らしい柄のスモックを着ていて、見たカンジはっきりいって威厳はない。
日本の病院の看護婦さんは殆どが白衣あるいは薄いパステルカラーで、 あの制服に憧れて看護婦になる女子もなきにしもあらずかと思うが、アメリカの看護婦さんのスモックに憧れる人はまずいないであろう。
そういえば、日本のあの帽子(何と呼ぶのでしょう?)は意味がないとかいって、確か京大病院の看護婦さんは全員つけていなかった。もともとは三角巾だったのが、今のように小さくなったらしい。

さてどれくらい時間が経ったであろうか。
子宮口が10Cm開いていきむのを待っているところだ。
アメリカは、メートル法でないので普段の生活での単位が非常にややこしいが、
病院関係ではメートル法が採用されている。子宮口はcmであらわしてくれるので分かりやすい。
そういえば、当直の産院の先生が一度見に来てくれたのはいつだったであろうか。
麻酔前?後?忘れてしまったが、当直は何度か診察してもらった事のある、黒人女性だ。
内診がうまいことで定評の先生。(彼女の内診が陣痛を促進すると産院内で噂がたっている。)
ちらりとスナフに顔見せをし、子宮口の開きをチェックし、しばらくまだのようだから電話ちょうだいね!
と看護婦に囁いていたのを聞き逃さなかった。
えーん先生お家に帰ってしまうのね?ま、なかなか子宮口が開かないから病院で待っていても仕方がないわけだ。
さて、下半身に麻酔が効き、陣痛が来ても感じない極楽な思いをしていたところ、
だんだん少しだがまた痛みを感じるようになってきた。
あ、肋骨が痛い
妊娠後期、肋骨が痛くて睡眠妨害をされたこともあった。あの肋骨の痛みが再び訪れたのだ。
看護婦さーん、痛いです〜。麻酔がちょっと切れて来たのでしょうか?
これから産むのに痛い思いをするのは嫌だ〜と思っていたので、麻酔の量を少し増やしてもらう事になった。
再び麻酔医が登場。
「増やしますよ、いいですね?」「あーいお願いします〜。」
背後で起こっている事はよく分からないのだが、
恐らく点滴の量を増やすごとく、腰から出ているいるチューブが繋がる機械を操作するのであろう。
「しびれたりすることがありますから、その時は言ってください。」
あ、だんだん痛くなってきた陣痛。
また麻酔きかせて〜、ましゅい〜!!状態になっていたので、しびれても何でもいいですよろしくってカンジ
最初は麻酔が上半身にききすぎることを割けるためベッドの背を起こしていたが、
肋骨の痛みの為に少し倒してみてもいいといわれ、従う。
・・・・みるみるうちに肋骨の痛みが消えて来る。
さようなら〜肋骨の痛みよ〜

また極楽極楽〜と思っていたら、しばらくして突然体に異変が・・・。

ぶるぶるぶるぶる。
え?何?体が震えて止まらなくなってきた。え?うそ?寒い?いや寒くないけど何で〜?
とにかく体が震えて自分で自分の体がコントロールできない。
あ、呼吸が荒くなってきた。はーはーはー。
ふーるーえーがーとーまーらーなーいー!!!
ナースが慌ててスナフに酸素マスクをかぶせる。
何か話したくても言葉が出てこない。英語だからというわけでなく、意識が朦朧としているのだ。
心配そうに覗き込む夫。「はにー大丈夫か?」後日談で、夫はスナフはもうおかしくなったと思ったそうだ。
「だいじょうぶじゃないーわらひはどうしたらいいの〜??」
この震えが続くこと約1時間
やっとのことで収まった・・・。

ああ喉が渇いた。
水はだめだけれど氷はOKとのことだったのでをもらう。
ぱくっ。
ぶるぶるぶるぶる。
氷を食べた途端、また震えが始まった。え?うそー。
覚えているのは心配そうにスナフを見る夫と先生の顔。
あ?先生来てくれたのですね。
意識は朦朧としながらも、どうやらスナフの子宮口は10cmまで広がったのでいついきみはじめてもいいのだが
とりあえずこの震えが止まらない事には、ということを理解する。
しばらくたつと、やっと震えが収まった。麻酔がききすぎると、たまにこういうことが起こるらしい。
震えが収まったのは3:30a.m.過ぎ。さあ、いよいよお産が始まる。

6.そして出産!


分娩室には「お産の体勢いろいろ」の写真が張ってあった。(なぜかモデルはアジア人の女性)
よくある基本形や、二人に肩をかつがれるような体勢で出産などなど5種類くらい載っていたような気がする。
希望があるかどうか聞かれたかは記憶にないが、どうやらスナフは基本形でいくらしい。

それまで寝ていたベッドの足元の部分から、両足を置く器具が出てきてそこに開いた足を乗せる。
右膝は夫、左膝はナースが押さえてくれ、スナフは両手で太腿の裏側を自分の方に引き寄せるという体勢。
(分かります?)
麻酔がきいており本人は陣痛が来たことが分からないので(ありがたい〜)
ナースが陣痛測定器(と名づけてみた)の数値を見ながらいきむタイミングを教えてくれる。
そういえば、アメリカで出産することに対して誰もが言葉の不安があるが、
いきむって英語でなんと言うのかしら?」ひねった単語があるのかと思いきやただの「プッシュ」である。
確かに医療用語は難しいものが多く、検診の前には予習していったりしたが、
分娩に関しては、数字が10まで数えられて「プッシュ」を知っていれば、
還暦を越えたスナフ母でも何とかなりそうだ。


ナースから、「10数えるから、その間プッシュしてね。」と言われる。
プッシュといっても、どんな感じでプッシュしたらいいのかよく分からないと言うと、
ナースが便秘の時に頑張るような感じでプッシュよと教えてくれる。
そんなことしたら出てしまうのでは、赤子ではなくナマミが・・・
日本ではたいていの産院で出産前に浣腸をするそうだ。
剃毛するところもあるらしい。
が!アメリカではそれらをするところは殆どないと聞いた。
万が一出てしまったら・・・以前、病院のコーディネータと会ったときその話題になったが、
ナースはそんなの慣れているから全然平気よ、すぐに処理してくれるわとのこと。
ナースは平気でも、夫や他人さまにそんな姿を見られるなんて嫁にいけない〜。
あ、もう嫁にはいったか、でも恥ずかしい〜!
夫には予め、そういうことになるかもしれないと説明しておいたので、きっと目をつむってくれるであろう。
鼻もつまむやもしれない。
ちなみに日本のスナフ義姉はお産がはやく進みすぎて、浣腸をする暇がなかったようだ。そういう例もある。

さて、陣痛測定器の数値を見てナースがプッシュ〜と指令する。
1.2...10数えるまで「うーーーーーーん」
そうそう、その調子よ、グッジョーブ!
本当にこの国の人は誉めるのが上手だ。
誉められたはいいものの、いまいちいきみ方がまだ分からない。
ナースの一人が、鏡を見てみる?と聞いてくれる。
「シュアー」
分娩室の端においてあった姿見がスナフの足元に。
シュアーとは言ったものの、日頃まじまじと見たことのない部分がそこに映し出されている、いやーん恥ずかしい。
しかし、いきむ部分を鏡で見て目標が決まると、次からいきむのが断然上手になったようである。
うーん、うーん。何度かプッシュしたが鏡に映される恐ろしい事実に、スナフ唖然!
先生が膣口を手でぐいーんぐいーんとひっぱりまわしているのだ。
わおぉぉぉ。
ぴったりの擬態語はまさにぐいーんぐいーんなのだ!!

何度プッシュしただろうか。
少し体制を変えるように指示される。
同時に先生がシャワーキャップのような帽子をかぶり、その他重装備になる
また、ナースが赤子が出てくるあろう辺りにシートを敷いたりてきぱきと準備。
どうやら赤子がそこまでやって来たらしい。
先生によると、どうやら会韻切開の必要はないらしいと夫が耳元で囁く。
ふーん切らなくていいのか。
日本の友達は殆どあらかじめ切ったと言ってたなーと思いつつ、「うーーーーん」

「あ、頭が見えてきたわ!髪の毛は黒よ。」
といいながら、スナフと夫(濃いブラウン。黒に近い)の髪の毛をちらりと見る先生。
「どうやら黒髪はノーチョイスね。」

鏡を見るとそういえば黒い物体が見えてきた。
わー赤子の頭だっ!
先生が相変わらずぐいーんとしながら、後何度いきんだだろう。
肩が出て、その後は先生の助けもあってするりっ!
男の子よ!
10月26日、午前4時31分。
前日の夕方にチェックインしてから約11時間後の出来事だ。
わーーお、とうとう出てきたぁぁあああ。
鳴き声は聞こえない。
しかしナースがスポイドのようなもので赤子の口に含まれた羊水を取り除くと、
「ふぎゃーーーー」
血などにまみれている体を軽くタオルで拭いた後、
帽子をかぶせすぐにスナフのところまで赤子を持ってきてくれた。
胸の上にのる赤子。ふにゃっとしている。
泣いている顔をまじまじと見る。
わー目がすごい腫れぼったい〜。どうやら目はスナフ似か?

へその緒は誰がダディーが切りますか?
「ノーサンキュー」と即返事をする夫。
以前から、へその緒切りたくない、気持ち悪い〜と言っていた彼。
全く根性なしである。
ま、最初分娩室にも立ち会いたくないと言っていたので、
それを考えるとずっと一緒にいてくれた夫に感謝なのであるが。
スナフは、自らはさみを持ちちょきんとカット
ゴムチューブを切るような感覚であった。

ナースが必要な処置をし、体重などの測定。
「7パウンド11オンスね。」
あのーそれって。。
「3,490gよ」
3,500切っていたのには正直驚いた。
というのは、破水した日の午前受けた超音波で、予想体重は3,900と言われていたからである。

帽子をかぶり毛布にしっかりくるまった赤子との時間をしばらく楽しませてくれる
この帽子なのだが、実に産まれてすぐかぶせるのだ。
頭からの放熱を防ぐ為らしい
産まれたての赤子の写真を日本の家族や友達にメールで送ったら、かなりの人に帽子について質問された。

赤子にうつつを抜かしている頃、スナフの下半身は先生によってさっさと後産が行われていたらしい。
まだ麻酔が効いているので全く感覚がない。
胎盤は何となく横目で見たような気がする。かなりでかくてグロスだ。
裂けたから縫っておくわね。」とさらりと言いのける先生。
え、裂けたんですか。。

おわり


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